会長挨拶Greetings

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第40回日本脳神経外傷学会
会 長 三木 保
東京医科大学 医療の質・安全管理学分野 主任教授

この度,2017年3月10,11日に第40回の本会をお世話させて頂く事を,東京医科大学脳神経外科学分野,医療の質・安全管理学分野の教室員一同大変光栄に存じます.また初代故三輪哲郎名誉教授,伊東洋名誉教授より頭部外傷研究を行って参りました教室として,この上ない慶びと感じております.今回,本学会のテーマを「神経外傷学の温故創新:若手脳神経外科医とともに」とさせていただきました.そのコンセプトは,「日本脳神経外傷学会の40 年を振り返り,原点回帰と更なる挑戦」─若き脳外科医へ脳神経外傷治療の醍醐味と神髄の伝承─としております.本学会は不惑40歳を迎え,改めて振り返って見ますと多くの先人達のご尽力で 本邦の神経外傷診療の中心的役割を担ってきたことは言うまでもありません.「頭部外傷治療・管理ガイドライン」の発刊をはじめ頭部外傷にまつわる諸問題について,責任ある事業を行い社会に貢献できたことは学会として誇りに思っております.温故としてその道程についてご担当の諸先生に現段階の総括をお願い致しました.そして創新として脳神経外科の醍醐味である脳神経外傷学の在り方について,現状の課題を踏まえつつ,若き脳外科医へ伝承,教育についてコンセンサスを得たいと考えております.海外からはUCSFのGeoffrey T. Manley教授の“Neurotrauma as a Career”,韓国のDongsan Medical CenterのInsoo Kim教授の“Analysis of Mortality and Epidemiology of Traumatic Brain injury in Korea”のお話を頂き,脳神経外傷学のglobal standard & present stateについて情報共有が出来れば幸いです.また更なる創新の教育講演として“自動運転がもたらす事故のない社会”というテーマで永井正夫氏(日本自動車研究所 所長),白𡈽良太氏(日産自動車株式会社)にご講演頂く機会を得ました.本邦の脳神経外傷学の発展の背景には1960 年代の交通事故戦争があったといっても過言ではありません.昨年交通事故死亡者数は67年ぶりに年間4000人を下回り,ピーク時の1/4になりました.自動運転で更にこの数は減少し,交通外傷は希な外傷になる事も夢でなくなるかも知れません.まさに「外傷治療の基本は予防から」を示して頂けるものと期待しております.
 今回の学会を通じ,若手脳神経外科医とともに時代に則した魅力ある脳神経外傷学を考察し,更に進歩させ,多くの脳神経外傷患者の診療に寄与できればと念じております.
 最後に会場を私の故郷,ホームタウンの東京下町の浅草とさせていただきました.浅草ビューホテルからの話題のスカイツリーの眺めは絶景です.浅草は老若男女にとっておも ちゃ箱をひっくり返したような楽しい街であり,美味しいお店には事欠きません.また学会初日(10日)の夜の会員懇親会は,日本現存最古ローラーコースターを有する江戸時代末 期嘉永6年(1853年)にできた遊園地「浅草花やしき」を,本学会で借り切り,楽しんで頂くことにいたしました.どうぞ一味違った大江戸,浅草での学会をご家族,ご友人ととも にお楽しみいただければ幸いです.多くの先生のご参加を心より御待ちしております.

平成29年1月吉日